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蟻塚の蟻

昔から議論のあることで
典型的にはドストエフスキーのカラマーゾフの話で
展開されている神学論争に出てくる

だいたい庶民というものは
判断力もない、情報も貧しい、自分で考えるとしてもすぐに騙される、
自分で何かしようとしてろくなことにはならない、
それよりもいっそのこと、大司教様にすべてを委任して
大司教様の言うとおりにしていればいいだけだ

何も知る必要はない
何も考える必要はない
ただ従順に信じていれば良い

なすべきことは自分の仕事、農作業や乳搾りや鍛冶屋の仕事に集中すること
社会のこととか未来のこととか公共施設とか税金とか
そんなことは大司教様の言うとおりにすればよいのだ
大司教様は謬にして全能の存在である

教育は従順にして敬虔な、集団主義的な人間を育成すること
ドストエフスキーは「蟻塚の蟻」と表現している

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同じことは、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』で描かれており、
ビッグ・ブラザーは唯一の独裁者で
マスコミは人民がビッグ・ブラザーを崇拝し続けるように仕向け、
拷問と教育の結果、人民はビッグ・ブラザーをこよなく愛するようになる

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政治といい宗教といい、
人民が個別に不十分な理性で不十分な情報をもとにして
何の判断ができるというのだろうか
ろくなことにはならない
壺売りに百万円払ったり
占い師の言うとおりに馬鹿げたことをしたりするのがせいぜいである

集団の頭脳に当たる部分に、
その集団の最良の知性と感性と良心を選抜して集中し、
そこにすべての情報を集約し、方針を決定してもらい、
人民はその方針を実行するだけで、最大の幸福を享受できるのである

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これが効率的なシステムである

そしておおむね実現に向かっていると考えられる

人民としては、「お前は自爆テロを実行しろ」と言われたら、
多くは考えず、そのとおりにするしかないのだろう

なにしろ、考えるという部分が切り取られて、奪われているのだから、
仕方がない

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現状では例えばプーチンはビッグ・ブラザーのようなオーラを感じさせる
苦しくても、プーチンについていけば間違いないと国民は思うのではないだろうか

その他の政治家にはそこまでのオーラはないようだ
ルペンだとか極右勢力はひたすら愚鈍で下劣である



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